歯の外傷や神経をとった後の前歯の変色
治療の特徴
歯の変色にはいくつかの原因があります。
・外傷や虫歯で歯の神経が死んでしまい変色する
・テトラサイクリン系の抗生剤による歯の変色
・もともとの歯の色が暗い、もしくは黄色い
・着色(ステイン)が付着している
・治療した部分が経年劣化で変色した
上記の事が原因で歯の変色が考えられるので、その症状に合った処置を行います。
虫歯が大きくなって歯の神経を取った場合(正しくは歯髄処置と呼びますが、ほとんどの歯医者さんでは神経を取ると説明されています)は、必ず少しずつですが、歯は変色していきます。歯をぶつけたりして、歯を打撲してしまって神経(歯髄)を取った場合には、神経(歯髄)からの出血が歯冠全体に及んでいる場合が多いので、大抵は処置直後から歯の変色がはじまります。
治療方法
被せ物などで治す場合
歯の神経が死んでしまう、感染を起こしてしまい神経を取る処置が必要など、歯の神経を取らなければならない場合は基本的には被せ物などの補綴処置の治療になります。
●セラミッククラウン
歯に土台を立てるか、歯自体を土台にして白いかぶせ物を接着剤で付ける治療法です。
被せ物の種類も幅広く取り揃えており、一人一人に合った治療法をご提案できます。
虫歯により神経を取った場合、残っている歯の面積が少ない場合はこちらの処置になります。
セラミッククラウンはこんな方にオススメです!
・どの角度から見ても自然な白さの綺麗な歯にしたい方
・歯ぎしりをする方やスポーツなどをされる方
・コーヒーなどの色の濃い食べ物や飲み物がお好きな方
・歯周病や虫歯が心配な方
・金属アレルギーが心配な方
・いい材質を利用した治療を受けたい方
●ラミネートベニア
歯の表面のみ薄く削り、白いセラミックを表面にのみ張り付ける治療法です。
歯を削る量が少なく、白く綺麗な前歯にすることができます。
歯の変色のみ気になる方や治療部分が少ない歯はこちらの処置も適応です。
ラミネートベニアはこんな方にオススメです!
・あまり歯を削りたくない方
・ホワイトニングでの効果が得にくかった方
・歯のすき間や形、歯並びも気になる方
・歯の白斑(白いシミ)が気になる方
・前に虫歯の治療でつめたプラスチックの変色が気になる方
・いい材質を利用した治療を受けたい方
●その他
他にもお口の状況や患者様のご希望に合わせて治療法をご提案させていただきます。
詳しくは<こちら>をご覧ください。
・ホワイトニング
元々の歯の色が暗い、黄色い方はホワイトニングもおすすめです。
ホワイトニングは歯を削らずに専用の漂白剤で歯を白くする方法です。
当院は歯に優しいホームホワイトニングを導入しており、時間をかけてゆっくり漂白するのでしみにくいのが特徴です。
更に後戻り(色の再吸収)も緩やかなので、長期的に歯の白さを保ちたい方や歯に負担をなるべくかけたくない方にもおすすめです。
ホームホワイトニングの詳細は<こちら>をご覧ください。
・クリーニング
歯の変色の原因が表面に沈着している着色物質(ステイン)であれば、クリーニングで取り除くことができます。
歯科医院での専門的なケアにて着色を取ると、本来の歯の表面が現れます。
当院はプロフィーメイトというパウダークリーニングを行い、歯や歯肉を傷つけずに歯の表面の着色を除去します。
本来の歯の色が気になる場合はホワイトニングやラミネートベニアなどの補綴処置で歯の色を白くすることができます。
症例写真
症例1
上前歯の2本の変色が気になるということで、当院へ来院されました。
向かって右の前歯は数年前に神経を取ったとのことで、茶色に変色しており、向かって左の前歯は差し歯自体が変色してしました。
前歯2本をセラミッククラウンにて治療しました。
このケースの場合、周りの歯よりあえてセラミッククラウンの色を少し白くしました。すると、若返った口元になり気に入っていただけました。差し歯がとてもきれいだと喜んでいただけました。
術前写真
術後写真
症例2
前歯の変色が気になり、前歯の色を同じにしたいということで、当院へ来院されました。
変色がきつく、ホワイトニングでは難しいと考え、ラミネートベニアにて治療しました。
前歯の色が同じになって大きな口をあけて笑えると、喜んでいただけました。
術前写真
術後写真
症例3
上前歯3本の変色が気になるということで、当院へ来院されました。
向かって右の前歯の色は問題がありませんでした。変色している3本の前歯の裏側も大きな欠損が認められたため、セラミッククラウンにて前歯3本を修復しました。
前歯全体がほぼ同じ色になり、形も以前と変わらないと、とても満足していただけました。
術前写真
術後写真
なぜ歯は変色するの?
・歯の神経が死んでしまい変色する
虫歯が大きくなって歯の神経を取った場合(正しくは歯髄処置と呼びますが、ほとんどの歯医者さんでは神経を取ると説明されています)は、少しずつですが必ず歯は変色していきます。
神経を取ると同時に歯の中の血液循環もしなくなるため、残った血液の成分や変色したコラーゲンなどが蓄積し歯の変色の原因となります。
・テトラサイクリン系の抗生剤による歯の変色
歯の形成期(0~12歳頃)にテトラサイクリン系の抗生物質を大量にとると副作用として歯の変色がおきます。
歯が灰色かかった色をしている、もしくはシマシマ模様があるのが特徴です。
・もともとの歯の色が暗い、もしくは黄色い
歯の色も元々個人差があり、特に日本人は黄色い歯の色の傾向が強いです。
(アメリカの方は透き通った少しグレー味のある色をしている方が多いです)
更に加齢により黄ばみが強くなり、前よりも歯が黄色くなってきたと感じる方も多いようです。
普段の飲食や服薬しているお薬などによって、歯の色素沈着度合いも変わってきます。
・着色(ステイン)が付着している
お茶やコーヒー、カレーやワインなどの色の濃い飲食が多い方は歯の色素沈着だけでなく、表面に茶色い着色物質(ステイン)が沈着していきます。
着色はお口の中の乾燥とも深い関りがあり、タバコを吸う方は特に着色物質(ステイン)が沈着しやすいです。
高齢になって唾液分泌が少なくなっても同様のことが言えます。
・治療した部分が経年劣化で変色した
以前虫歯の治療などで部分的にプラスチックを詰めた方は、プラスチックは吸水性があるため長期的に使用すると着色してきます。
ブラスチックの変色はホワイトニングも効果が出ないため、新しく詰めなおしをするか被せ物で歯の色味を整えることができます。
歯が変色したまま放置するとどうなる?
歯の変色の原因が色素沈着や着色のみだったら、そのままにしておいても大きな問題はありません。
ただ変色だと思っていた歯が実は虫歯の可能性や、歯や詰め物が欠けた部分に着色や汚れが溜まっていると2次虫歯や歯周病のリスクが高まります。
さらに歯の変色は審美的な部分で気になる方は多いかと思います。
特に笑った時に見える4番目の歯まで(スマイルライン)は人に与える印象に影響を与えるので、気になる方はぜひ一度ご相談にいらしてください。
歯の変色についてのよくある質問
Q.歯の変色と止めることはできますか?
A.神経が死んでしまった歯に関しては変色を止めることはできません。
着色や色素沈着での変色予防は、色の濃い食べ物を召し上がった時になるべく早めに歯磨きをするなどの対策はございます。
Q.歯磨きで変色は落ちますか?
A.歯ブラシで歯の変色を落とすことはできません。
着色であれば研磨力の高い歯磨き粉を使うと一時的には落とせますが、歯の表面を傷つけてしまう恐れがあるためあまりオススメしません。
Q.どんな人でもホワイトニングは可能ですか?
A.ホワイトニングは個人差が大きくあるため、歯科医師がホワイトニングの適応なのか判断いたします。
ほとんどの方はホワイトニング可能ですが、無カタラーゼ症の方は禁忌です。
さらに妊婦、授乳中、未成年の方もご遠慮いただいております。