歯の形
歯の形、実はとても複雑なんです。
例えば前歯。
四角のようで四角でない・・・丸のようで丸でない・・・三角のようで三角でない・・・。
私たち歯科医師は大学時代に歯の形を叩き込まれました。
全ての歯にはそれぞれ個々の特徴があり、もちろん私たち歯科医師は、その特徴を記憶しています。
その特徴とは、湾曲徴、隅角徴、歯根徴、など、いろいろあります。
ひたすら書いて覚えましたね~。スケッチの試験があるので、その試験に合格するために必死でした。試験ではどの歯が出題されるか分かりませんので。
また、歯型彫刻といって、直方体の石膏棒から歯を削りだす実習もあり、これも時間制限付で試験があります。
もちろんどの歯が出題されるか分かりません。こちらも彫りまくりました。
そうやって覚えた記憶は今でも体に染み付いています。
仮歯を作る際に歯の形を削りだす時もこの記憶が役に立ちます。
歯の形態を修復する際にもこの記憶を頼ります。
更に、患者さんに合った歯を作ったり、修復するためには、基本的な特徴に加えて性差や個人差をも加味しています。
鏡で見てみましょう、ヒトの歯はとても複雑な形をしているのです。