前歯の差し歯って外れやすい
前歯の噛みあわせは、上の前歯の裏側を下の歯が突き上げるような噛みあわせの方が多く見られます。
そこで、下の前歯が突き上げる力が大きいほど、また、力がかかる時間が長いほど、人工の差し歯は外れやすい傾向にあるといえます。
つまり、食べ物を食べる時にしっかりかみしめる方、強くかみしめるくせのある方、寝ている時の歯ぎしりが強い方などです。
こういった習癖のある方は、歯の咬む面がすり減って摩耗しており、時々そこが光っているときがあります。言い換えると、すり減ることで歯が揺さぶられることを防いでいると考えることも出来ます。
ただし、人工の差し歯は天然の歯のようにすり減ることがないので、結果として、歯が多く揺さぶられてしまうことになります。
人工の差し歯は接着剤で歯根についている状態ですが、長期間強く揺さぶられ続けると接着剤の層(セメント)が破壊されてしまいます。
そうなると、接着していた人工の差し歯は、ついにポロッと落ちてしまうことになります。
その対策は、
1.ゆすられる力が働かないよう、装着する際に調整すること。
2.定期的に、噛み合わせの調整を行うということが望まれます。
3.もちろん、患者さん自身に外れる原因を知っておいてもらうことも大切です。
4.噛みしめやくいしばりを自制していただくことが、外れない対策になります。